二人を思い出すとき

 ママたちおめでとう。
 おたんじょう日はもう、おめでとうをいったんだけど。
 今日はどうしても、おめでとうをいいたくて、おてがみ書きました。
 きのう、はやてさんからききました。
 二人がはじめて会った日だって、いっていました。
 わたしもママたちみたいに、ママたちをこれからも大切します。

                     byヴィヴィオ

2009、12/28


「フェイトちゃんは、サンタさんいつまで信じてた?」
「サンタサン?ああ、なのはが小さいころに教えてくれた物語の人物だね」
「あ、そうだった」
「ちいさな子供にはあまり、いないっていっちゃいけないんだよね」
「うーん、なんだかさびしいなあ」

「私は、なのはに聞いたときからずっといると思ってるよ」
「うそ!!」
「ほんとうに」
「あの時は『この世界には魔法使いが職業として、荷物を運んでいるの?』とか言ってたよ!」
「それは・・・なんども謝ったんだけどな。気にしてたんだね」

「サンタさんは雪の中に住んでるんだよ」
「おもちゃを作る大きな工場があるんだよね」
「そら飛ぶシカとそりを持っているの」
「煙突や窓から入れるんだよね」
「だって、だって・・・」

「きっと、どこかでなのはみたいな魔法使いが、魔法に目覚めていたんだと思うんだ。
 自分の才能に気づいて、誰かのために使ってたんじゃないかな?」

「・・・・・・・・・・あ、そゆこと」
「そんなにがっかりしないでよ、なのは」
「ごめんね。でも、魔法を使えるようになったら、まずは自分のためにつかっちゃわないかなぁ」
「―――そうでもないよ?」

「・・・・・あ・・えっと・・・・・わたし?」
「やさしい魔法使いは、私たちのまわりに案外たくさんいるからね」
「うん、そうだね」
「なのはは、たまにすごい力で吹き飛ばしちゃうけど」
「フェイトちゃん!」

「サンタさんはきっと、この力を誰かが笑ってくれることに使いたかったんだよ」
「なんだか、フェイトちゃんのお話のほうがメルヘンだね」
「そうかな?一番現実的だと思うけど・・・」
「ふふっ、そういうことにしておく」

「魔法が当たり前にあるから、私は特別だとは思えないけど。なのは、違うみたい」
「特別だから、特別な人たちのために使いたくなったの」
「そう・・・・」
「だから大切にしなくちゃ。もう無駄遣いしないんだ。この力も、この身体も、目の前にいる人も」


「なのは、一言いいかな?」
「なあに?」
「イブのツリーの前で、言われると・・・」
「あ、ちがうの!違うんですよ!
 わたしはただ、友達として・・あれ?友達以上だけど、大切にしたいひと?」

「うう、周りの視線がいたい・・・」
「おっかしいなあ。ねえ、フェイトちゃんはわかってくれるよね?」
「なのは、行くよ!」
「あ、ちょっと待って。引っ張らないでったら。
 まだお母さんたちのクリスマスプレゼント買ってな・・フェイトちゃんっ」

2010、1/21


「少し手間取ったね」
「ロストロギアの事件って、絶えないよね」
「なのは・・・・・大丈夫?」
「どうして?けがはないよ?」
「なにか、つらそうだったから」
「・・・・・・・・あのね、昔のこと思い出しちゃうかもしれないけど。フェイトちゃんの事件についても。
こういったことがなくなればいいのになって」

「なのは、私は大丈夫だよ」
「ほんとに?」
「本当だよ。だって・・・・」


「フェイトちゃん!!」
「頭を・・・ぶつけて・・・・」
「避けるときに?どこに?痛くない?」

「なのはちゃん、聞こえてるなら返事してや」
「うん、フェイトちゃんが」
「遠くからやけど、二人が見えてな。こっちの組織は抑えたから、援護にいくけど、だいじょぶそう?」
「大丈夫だよ、はやて。たとえ当たったとしても、あれぐらいの魔力だったら」
「ロストロギアは先に回収してあるから、はやてちゃん。フェイトちゃんを手当てしなきゃいけないから」
「わかってる。あとはうちらにまかせてや」

「フェイトちゃん、しっかり私が見える?」
「ごめん。油断大敵だ、敵の前で・・・」
「意識はしっかりしてるね。シャマルさんが来るまで、平気?」

「なのは・・・私は大丈夫」
「無理しないで、痛いところがあったら言ってね」
「痛い思い出は、良い思い出になったから。痛い思い出がなかったら、なのはと出会えなかったから。
それを思い出さないなんて、もったいないよ」
「・・・・フェイトちゃんっ」
「あったかいよ、いつでもなのはは。昔からずっと」

「―――フェイトちゃん、なのはのお願い、聞いてくれる?」
「もちろん」
「動けそうなら、あの組織の作ったロボットを一緒に全部壊そうと思うの」
「そうだね、そのほうが周りの被害が少ない」
「こんなきれいな公園、こわしちゃうのは、もったいないよ」
「うん、もう一度」
「また、良い思い出になるように!後悔しないで、全力全快!」
「いっしょに、行こう!」

2010、2/15


「生まれ変わったら何になりたい?」
「うーん、何かなぁ。フェイトちゃんは?」
「なのはが、答えた後ね」
「なあに、気になるよ」
「何になりたい?」

「それじゃあ、ケーキ屋さん!」
「なのは・・・・・実家でお菓子作ってるよね?」
「わたしはぶきっちょだから。
もっと器用な子に生まれたら、お父さんやお母さんの役に立てたかなって」
「役に・・・たつために?」
「なんて、この前喧嘩したばっかりなのにね。もう、わたしばっかり。フェイトちゃんも答えてよ」
「私は今度は・・・」
「ん?」

「もっと、なのはの気持ちをちゃんと理解したいから。普通の家庭に生まれてみたい・・・かな」
「・・・・・・フェイトちゃん、まだこの前のこと気にしてるんだ」
「だ、だってなのは。あの時、もっとなのはを勇気づけられたはずだし」
「それは、あのときお母さんと大喧嘩して泣いちゃったけど。もう、恥ずかしいこと思い出させないでよぉ」
「恥ずかしくなんかないよ。あの時、すごくなのはは真剣だった」
「もちろんそうだけど」
「私、母さんと一緒に喧嘩なんてしたことなかったから。うまく言えなくて」
「言ったでしょう。そういう時は、話を聞いてくれるだけでいいんだよ?」
「だけどなのはっ・・・」

「わたしだって、フェイトちゃんの気持ちもっと理解したいよ。でも・・・お互い生まれ方が違うし」
「うん・・・・・」
「でもね、わたしたち仲良くなれたよ。
話を理解してくれなくてもいいの。わたしのここ、ちゃんと見ていてくれたもん」

「―――そうだね。なのはは私のここ、ちゃんと見ていてくれた」
「どんなに話が合っても、わたしの話を知っても、ここが通じ合ってなかったら」
「ごめん、なのは」
「だからもう、自分はわたしやみんなとは違うんだなんて、思わないで?
フェイトちゃんと仲良くなってみたかったの、なのはは」


「フェイトちゃん、どうしたの。
そんなに泣いたらおみやげの紅茶が美味しくないよ。
そうだ、久しぶりに家に来てくれるってヴィヴィオに話したら、喜んでたよ。
帰り道においしいケーキ買ってくるって。
そういえば、ヴィヴィオったらわたしが落ち込んだときにいつも買ってくれるの。
そんなことどこで覚えたのって聞いたら、とぼけてこんなこと言ってたよ。

『フェイトママが、いつもママにしてたことと同じことしてるの。元気なママが大好きだから』って。
そのとき、フェイトちゃんがなのはにしてくれたこと、すごく思い出しちゃって。
何気なくケーキ買ったり、面白い本を貸してくれたり、出かけるときに手をつないでくれたり。
いつもありがとう、フェイトちゃん」

010、3/3


「ヴィヴィオ…」
「んーん、なんでもない」
「でも、うなされてたよ?」
「もっかい寝る、おやすみママ」
「ねえ、ヴィヴィオ。最近多いみたいだけど、何かあったの」
「なんでもないよ」

「こら、こっち向かないと……」
「きゃははっ、ママったら。くすぐったいってば」
「ほんとのこと、言う?」
「うん……あのね、最近……ママと戦ったときのこと、夢に出てくるの」
「最近になってから?」
「たぶん、魔道を使う授業で、実践練習してからだと思う」
「そっか。ヴィヴィオ、もう子供じゃないんだね」
「あら、デバイスつかったら大人に慣れるですよ」
「うふふ、それは失礼しました。ヴィヴィオさん?」

「どうして魔法ってあるのかな」
「どうしてだろうね。だれかを笑顔にさせたいためかな」
「あんなことが起きても?」
「あんなことが起きても。魔法がなかったら、わたし達、こうしてなかったでしょう?」
「でも、その…あのね?ママを…一度……ケガさせちゃたから」
「それが本当に言いたことなんだね」
「魔法がちょっとこわくなっちゃったのかも」
「でも、ヴィヴィオに会えた。わたし達はね…………」

    『友達になりたいんだ』

「ママ?」
「ふふっ、ううん…なんでもない。ちょっと昔のこと思い出しちゃって」
「なかないで、ママ」
「違うよ、ヴィヴィオ。うれしくてたまらないから」
「フェイトママのこと?」
「うん、今思い出したよ。フェイトママがなのはママに言ってくれたことがあるんだけど、
あの時はただ、うれしいだけで意味なんてわからなかったけど」
「素敵な思い出みたい。ママ、嬉しそうだもの」
「ヴィヴィオ、あのね…

『生まれてきてくれてありがとう。
やさしい魔法つかいでいてくれて、私と仲良くなってくれて、そばにいてくれて。
思い出すだけで支えになるよ、大好きだよ』

「――違うよ、ママ」
「え?」
「ヴィヴィオが、ママのそばにいたいんだ」
「どこで、そんなかっこいい言葉覚えたんだろう」
「だって、高町ヴィヴィオはフェイトママの娘でもあるんだよ?
ママを好きになりたい気持ちは同じだもの」

2010、4/12


「なのはっ」
「フェイトちゃん!どうしたの、今日はこっちにくる予定は無かったんじゃ」
「うん、ちょっと用事を作って来てみたんだよ」
「すごい、そんなことができちゃうんだ。偉くなっちゃったね、フェイトちゃん?」
「ふふっ。うわさのすごい教務官にはかないませんよ?」

「ここに来たときに、フェイトちゃんと今度一緒にと思ってたんだよ」
「そうなんだ」
「メニュー見てみて。これ、フェイトちゃん好きでしょう?」
「うん、ずいぶん種類があるんだね」
「これ、頼んでみる?」
「うん、お願いしようかな」
「せっかくだから、違う種類の頼んでみてもいい?」
「それじゃあ、半分こして食べてみようか」
「なんか、いいね。ひさしぶりだからかな」
「私も嬉しいよ。そうやって思い出してもらってたこと…」

「……フェイトちゃん。話してほしい?」
「どうして?」
「きのうの通信のつづき、聞かないんだもん」
「昨日は、少し落ち込んでたみたいだから」
「気になる?」
「なのはが話してくれるまで、こうしてるよ?」
「そういうの、フェイトちゃんに甘えちゃってよくないんじゃないかな」
「そんなことないよ」
「だって、どっちかがそういう状態って負担になっちゃうよ」
「難しいことを考えるんだね、なのはは」
「考えるよ。だって、フェイトちゃんは大切なひとでしょう」
「いいんじゃないかな」
「いいのかなぁ」
「相手が負担だと思っていなくて、楽しいって思えて会えたら」
「……ごめんね、弱音ばっかり言って。
まだお礼もいってなかった。来てくれてありがとう」
「私が会いたくなったから。だから、色んなことをなのはのせいにしないでね」
「……もう」

「不思議。昨日のこと、うまく伝えられないかと思ってたんだよ」
「真剣に思った気持ちを伝えるのって、
すごくつよい意思が必要だから。なのはが元気じゃないと」

「ふふっ。なにもしてないのに、なんだかすごく元気なっちゃった」
「うん、私も…」
「フェイトちゃん、なのはにどんな魔法をかけたの?」
「それは、なのはの方だよ」
「わたしが?」
「出会ったときに、ずっと幸せにしてくれる魔法を私にかけたよね?」

2010、8/9


「わぁ……」
「なのは?」
「今日の服は珍しいからかな」
「そうだね、あまり入ったことのないお店で買ってみたんだ」
「フェイトちゃん、こんなこと突然いうと驚くと思うんだけど」
「似合わなかった?」
「すっごくきれいだね」

「うっ……」
「あ、照れた?」
「うう…」
「どうしたの?服の趣味もすこし
 違うみたいだし、初めはお化粧のせいかなって思ったんだけど」
「これは、あの…」
「びっくりしたなあ、フェイトちゃんってかっこいいんだね」
「かっこいいって…」
「大人の女の人っていうか。でも、もう大人なんだけどね」

「…あの、なのは」
「なあに。あ、好きな人ができたとか!」
「…もうずっと前だけど」
「もう、フェイトちゃん。さっきから声が小さくてわからないよー」
「…この前言われたから」
「ん?」
「……覚えてないんだね」
「ほえ。なんのこと?」

「なのは!」
「はい!」
「なのは…も…いつもかわいいけど…」
「ありがとう?」
「こういう服、どうかな」
「えー、私は似合わないよー」
「そんなことないよ」
「仕事ばっかりだし、ないない」
「見てくれてる人はいるから」
「ほんとう?」
「本当だよ」
「ふふっ、わかった。ちょっとがんばってみるね」
「うん、楽しみにしてる、なのは」



『フェイトちゃん、足も長くてきれいなんだからもっとおしゃれしたらいいのに。
 え、見てくれる人がいるから言ってるんだよ。たとえば、私とか。
 好きな人がどんどん素敵になっていくのって、うれしいよ。
 フェイトちゃんがきれいになるとね、フェイトちゃんを好きな人たちも幸せになるんだよ。
 覚えていてね?』


2010、12/1


「は〜……息、もう白いね」
「寒い?なのは、これ使って」
「だいじょうぶだよ、家までもうすぐだから」
「じゃあ、この手袋はヴィヴィオが使うー」
「あ、ちょっとヴィヴィオ!ごめんね、フェイトちゃん」
「ふふっ、久しぶりに会ったから甘えたいのかな?」
「昔からフェイトちゃんは甘えるママ、私は叱るママだからね」
「なのはは私達に、いつだって優しいよ」

「はい」
「うん?」
「マフラーどうぞ。まだ、こっちの寒さになれてないでしょ」
「え、なのは……別にわたしは寒くないし、平気だよ」
「大体、フェイトちゃんの平気はいつも当てにならないもん」
「それは、なのはだって言えるよね」
「素直じゃないなあ」
「なのはだって。それにどうして…」

「もーう、二人とも久しぶりに会ったのに喧嘩ですか?」
「えっと、ヴィヴィオ。これは喧嘩じゃなくて」
「フェイトママ、なのはママ。これ、カタッポづつ付けて」
「ヴィヴィオ、これはどういうことか、ママたちに教えて?」
「ほら、手袋でカタッポで、ママたちの手でカタッポで。あったかいでしょ?」
「うん…そうだね。なのはと手をつないでればあったかいね」
「仲直り、いつも手をつないでしてたよね?」

「えっと…」
「フェイトちゃん、顔真っ赤」
「なのはもだよ」

2011、5/18


「フェイト、起きてください」
「あれ……、どうしてここに?」
「相変わらず、朝は弱いみたいですね」
「うん…大人になったら色んなことができると思ってたんだけどな」
「はい、このスカートでいいですか?」
「ありがとう。この柄、どうかな?」
「素敵ですよ、フェイト。フェイトはやっぱり美人になりましたね」
「子供のころ、よく言ってたね」
「朝ごはんはどうしますか」
「今日はなのはと会ったら、すぐ食事する予定だから」
「だめですよ。朝はしっかり、昼は楽しく、夜はおしゃべりしながらたべましょう」
「うん、リニス」

「では、牛乳だけでも飲んでください。向こうを向いてください」
「髪の毛なんてとかしてもらうの久しぶり」
「なのはとまた一緒に暮らしたいですか?」
「どうだろう。今はすごく幸せだから、離れていても」
「それはどうしてですか」
「なんていうんだろう。心の真ん中が一度繋がったから、思いだすだけでうれしい」
「そうですか…」
「ありがとう。もう行かなきゃ」
「フェイト、忘れものですよ」
「これは?」
「いつもなのはに会う時につけていたでしょう?」
「懐かしいな…」
「ふふっ」
「どうしたの、急に笑って」

   『あなたが幸せそうでよかった』

「フェイトちゃん、ごめんね?」
「寝坊したのは私なのに」
「違うの。今日、わたしつけてこなかったから」
「……ああ、リボン」
「せっかくつけてきてもらったのに、申し訳ないなって」
「私も忘れてたから」
「え?」
「なのはに会うことを伝えたら、教えてくれたんだ」
「だあれ、それ。あ、わかったはやてちゃんでしょ!もう、大変だったんだから」
「そうなの?」
「お揃いのお休み取るときだって、すっごくからかわれた」
「ふふっ。でも、リボンだけじゃないんだ。教えてくれたこと」
「あとはどんなこと?」
「私の過去は一人じゃなかったんだって」

2011、8/4


「フェイトママだー!」
「おかえり、ヴィヴィオ」
「いつ帰ってきたの?」
「一時間前くらい、なのはは?」
「なのはママはね、今日はちょっと遅くなるって」
「そっか…」
「あー、フェイトママしょんぼりしてる」
「そ、そんなことないよ」
「こんなに可愛い子がいるのに、やっぱりなのはママがいいの?」
「もう、ヴィヴィオったら」
「ふふっ、冗談。鍵開けるね、散らかってるけど気にしないでね」
「これは…めずらしいね」

「私も修学旅行とか、ママも出張とかしてたから。てへ」
「こら、ヴィヴィオ。ママが忙しいときはお片付けお手伝いしないと」
「はーい、ごめんなさい。片付けます。いまお茶入れるね」
「じゃあ、私はその間に洗濯物を畳んでいるよ」

「フェイトママは、もうここには暮さないの?」
「そうだね、もしまた転勤したらお世話になろうかな」
「お世話なんて。ママと私はいっつも大歓迎だよ三人が一緒だと楽しいもん」
「ありがとう、ヴィヴィオ」
「フェイトママ、お砂糖どれくらい…どうしたの?」
「えっ!あっ、いやその…」
「ああ、それ。可愛いでしょ、この前デパートで見つけたんだって」
「そうだね…フリルがついてて、可愛いかな、うん」
「フェイトママはそういうの履かないの?パンツ」
「私はちょっと、可愛すぎるよ」
「えー、フェイトママだって似合うよー。じゃあこれは?」
「これはまた、ずい分ファンシーだね」
「ピンクのフリルですっごく可愛いんだよ」
「そっか…うん、うん。すごく似合うと思うよ」


「ただいま。あ、フェイトちゃん!」
「おかえりなさーい」
「お邪魔してます、なのは」
「言ってくれればよかったのに」
「忙しかったんでしょう?」
「でも、やっぱりお客さんを迎えるお部屋じゃないでしょう」
「ちゃんとお出迎えしたもん。ママ、フェイトママのお砂糖ってどれくらい?」
「お砂糖は二つね」
「さっすが、ママ!」

「フェイトちゃん、畳んでくれててたんだ。ありがとう」
「い、いや…大丈夫だよ、うん」
「フェイトママも、なのはママが買ってきたパンツに驚いてたよ」
「そうかな、普通だよ」
「もうそんな年じゃないでしょ、恥ずかしいよ」
「そんなことないよ」
「そ、そんなことないよ!すっごく似合うと思うよ」
「フェイトママまで」
「多数決でこのパンツで決定。ヴィヴィオは私にとって、まだまだ子供なんだから」

「…・…え?」
「まさか…フェイトママ?」
「ひょっとして…フェイトちゃん?」

「ふふふっ!二人とも顔真っ赤ー!」
「もう、フェイトちゃん!」
「ご、ごめん…いや、なのはって案外いつもシンプルな服装だったし、
 たまにはこういうのもいいかなっていろいろ考えて」
「色々考えるって…どういうことっ」
「えっと。そもそも、これは誤解だったわけで…ヴィヴィオ、あきれた?」

「ううん。やっぱり、二人のママがいて、幸せだなって思ったの」

なのフェイリンク



思いつきで描いていったなのフェイSS集です。誤字脱字があったら教えてください。
そして、お話の感想が胸に出てきたのなら、想いを貯めておくのは身体によくないから、
コメントで書き出して送信すると、さっぱりしますよ?web拍手を送る←WEB拍手&感想コメント


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